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第9話・謎深き王の正体 その2

ผู้เขียน: さぶれ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-16 23:00:12
 私は玄さんにメッセージを打ち込んだ。

――幼稚園で歌の練習が連日続いて、忙しくなるからしばらく会えなくなっちゃう。ごめんね。

 玄さん、今までありがとう。

 向こうはカモだったかもしれない。庶民が珍しくて、遊び相手にするにはちょうどいいと、そんな気持ちだったのかもしれない。

 でも、玄さんは私が大変だった時、何度も手を差し伸べてくれた。

 助けてもらったのは事実だもの。

 知らなかったから仕方ないという言い訳は通用しないかもしれないけれど、罵って終わりにはしたくなかった。さよならって言うのも変かと思って、敢えて『ありがとう』でメッセージは終わらせた。そしてそのまま、彼の連絡先を削除した。

「押しかけてごめんね、理世ちゃん」

「先輩…本当に大丈夫ですか?」

「うん。彼とはもう別れるし、今から携帯、変えに行ってくる」

「え! 今からですか!」

「決意が揺らいじゃう前に、やらなきゃ。既婚者とは付き合えないよ。だからもう終わりにする。もうこれ以上、あの人を諦められなくなっちゃう前に、スパッと!」

「…先輩」

 涙を零す私を見て、理世ちゃんも一緒に泣いてくれた。彼女のおかげで救われた。

 二人で沢山泣いて、少し気持ちが落ち着いた。理世ちゃんに手厚くお礼を言って、私は彼女の部屋を後にした。

 そのまま近くの携帯ショップへ行った。Takaさんに携帯を壊されてしまったから、電話番号はそのままで、新しい機種に変えたばかりだったけれど――しかも玄さんが払ってくれたし――格安スマートフォンに乗り換えた。

 電話番号やメールアドレスは一新し、家族と親しい仲の人たちにだけ、連絡を入れた。

 SNSはもう絶対にやらない。だから機種変更する前、アカウントもついでに削除した。店員に頼めば、難なくやってもらえるので助かる。これで私と玄さんを繋ぐものはなにもなくなった。

 唯一繋がっていたアプリも既に退会しているし、後は最後に玄さんが部屋を取ってくれたホテルへ行って、荷物を回収しよう。

 玄さんが仕事と思われる時間に戻る方がいいよね。

 はち合わせはしたくない。

 スマートフォンの新規登録に思いのほか時間がかかったので、そのままホテルへ戻った。受付で玄さんが来ていないか尋ね、彼が訪れていないと聞いて安心する。

 チェックアウトはしておいた方がいいのかな。でもそうすると、すぐにホ
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